応用数学の楽しみ

私の通った大学には基礎工学部と、工学部っていうやつがあって、基礎って限定されるのやだなぁと思って工学部に入った。 そんな自分が一番好きな学問ってなんだろうと思うと、応用数学なのではないかと思う。

応用数学の定義はぼんやりしているけれど、私の中ではこうだ。現実的な事象を扱うのだが、発見的、実験的な裏付けなしで、完全に数学的な背景だけで成立している分野。例えば、電磁気学や数理最適化、確率論などの分野だ。

応用数学の凄い所は、いまのところどれも歴史が浅いので、例えば最古の研究でもガウス辺りだろうし、論文も英語で読める。つまり本当に一世紀くらいで発展しているものだから、頑張れば自分も一から全てを追えるし、もっと頑張ればその波に乗れる。完全に数学的な背景だけで出来てるので、とことん腑に落ちるまでやれるのだ(工学にはよく歴史的な理由や、曖昧な実験による慣例が多い)。

ただし、辛いところもあって、扱うものが現実的な事象なので、数学的に嬉しい仮定を置いても現実的な結論になることは稀で、楽しいけど役に立たないという迷路を歩いてる気分からは逃れられない。いまの自分としては応用数学を道具に現実的な問題を解きつつ、道具が全く無い時に作ってみましたというスタンスが性に合っています