REASON10 シンセ探訪:第一回 SubTractor編

皆さんはREASONご存知ですか?私は最近REASON10を買いました。このPropellerhead社の音源ソフトREASONは3か4くらいから使っているのですが、当時はまだ今のような録音やピッチ調整などの凝った波形編集機能もなく、CubaseやLogicにRewireして使うのが一般的だったと思います(VSTとかはまだ無かった)。当時からとにかく動作が軽かったので、とりあえず打ち込みもできる高機能シンセみたいな楽器感覚で売ってた印象、たしかハービー・ハンコックとかジャズ界隈でも使ってる人いた。とにかく初めてDTMを始める人はこれだけで動作の軽いDTM環境を完結できるし、普段使ってる音源に飽きた人もRewireで併用できるなど、とにかく万人にオススメのソフトです。

https://www.youtube.com/watch?v=w1viFoLS594&list=PLZRd1OK77BpgnXtWeekqQGEnj6my5_hWy&index=2
この辺のプレイリストに歴代REASONのコマーシャルがまとまってますが、びっくりするほどUIが変わっていないことがわかります。これは単純にUIデザイナが素晴らしい仕事をしたということだと思います。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Reason_(%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2)
WikipediaにはREASONのアップデートがよくまとまっています。びっくりするくらい変更が少ない。個人的に3-4の時から結構魅力的なシンセが揃っていて

・SubTractorアナログシンセサイザー
・Malströmグレインテーブルシンセサイザー
・NN-XTアドバンスト・サンプラー
・Thorポリソニックシンセサイザー

この辺り+ReDrumだけで、みんなかっこいいトラックを作ってました。あらためて10までに増えたシンセ

・Europaシェイプシフト シンセサイザー
・Grainサンプル マニピュレーター
・ID8インストゥルメントデバイス
・Klang Tuned Percussion/Pangea World Instruments/Humana Vocal Ensemble

を見てもなんかマニアックなシンセ?が増えたのかなという気持ちでした。ただ数年ぶりにREASONを触ってるので、一通り試してみます。具体的にはそれぞれのシンセを主役(ほぼ他のシンセは使わない縛り)にして短いトラックを作ってみるというものです。

今回のシンセは画像にでてる青い(碧い?)シンセのSubTractorです。SubTractor は音源部に減算合成を採用した、バーチャルアナログタイプのポリフォニックシンセサイザーです。僕はずっとモノフォニックなシンセとして使ってきたので、今回始めてポリフォニックな音色を出してみます。ちなみにREASONを初めて触る方はv7までは日本語マニュアルが公開されているので見てください。p541からSubTractorの説明です。

http://cdn.propellerheads.se/Reason7/Manuals/Reason_7_Operation_Manual_Japanese.pdf

重要なTipsの抜粋

・一から音色を作りたいときは、「編集>デバイスをリセット」すると割とシンプルなザ・アナログって感じの音色から作れる
・32種類の波形の説明を読んで大体覚える
・フェーズモジュレーション(PM)を使うことで音色の幅が増える
・なんならオペレータ2基だがFMもできる
・CV繋いだり、Combinatorで統合すれば何台でもOSC/オペレータ追加できる

これがマニュアル読みながら作った曲です(Share AlikeのみのCCで配布)。

試聴 https://soundcloud.com/karitainu/reasonsubtractor
ソングファイル http://www.mediafire.com/file/uf85xcey6jsxovk/subtractor.7z/file
24bit/192kHz音源 http://www.mediafire.com/file/jz8d7gt0z50g844/subtractor.aif/file

この曲のポイントとしては初音ミクの音声以外は全部SubTractorを使っているところです。REASON1から付属しているだけあって何台立ち上げても全く重くならず、モノシンセなら303からMiniMoogまで何でもだせそうな音です。プリセットは多くないですが、意外とポリフォニックな音もモチモチした感じで気持ちよく、OSC2基とはいえREASONなので何台もCombinatorでまとめてデチューンした音を鳴らせばそこそこ現代的な音も出ます。他の有名シンセでいうとSylenth1とかSynth1とかが似てると思います。REASONのプリセットは野暮ったい音が多いですが、シャープな音を作ろうと思えば出来ます、PH公式からDLできるVengeanceの無料プリセットで昔勉強しました。若干Sylenth1ほど低音のブリブリ感がないのでキックを作るのは大変ですが、1ヶ月くらいSTだけ弄るなどの修行で極めればできそうで、今回のDTMでは随分REASONとSubTractorのシンプルさと可能性の高さの両立にポジティブな印象が持てました。